こんにちは。虚兎です。
本日もおハガキを頂いております。さっそくご紹介していきましょう。
本日のお便り
うつろうさぎさんこんにちは。
今日はうつろうさぎさんにおねがいがあります。
わたしは月餅が大好きです。
はじめて食べた日を、まるできのうかおとといの事のようにおぼえています。
そしてもっともっとせかいのみんなに知ってもらいたいとおもいました。
しかし、ちまたにいろいろなスイーツがあふれているこんにち。ぼく1人の力では
けっかなどたかがしれたものです。
どうかこんなぼくにお力ぞえ、頂けないでしょうか。
よろしくお願いします
もんじろう(8)
なるほど…。
あいわかりました!
ここまで頼まれて断ろうものなら漢が廃るってもんです。
うつろうさぎにおまかせあれ!!
月餅(げっぺい)
お父さんやお母さんと、スーパーに行きます。
何か1つ、好きなお菓子を買って貰えるあなたは、大喜びで和菓子コーナーに行くでしょう。
そしてあなたの汚れを知らない純真な目は、ある違和感を見出すはずです。
そのブロックのようなビジュアル。
そして表面に描かれる謎の紋章。
あなたが今、興味津々で目にしている物は…。
「ユエビン」
中国で産まれ、日本で「げっぺい」と呼ばれるお菓子です。
観察しよう
はい。こちらが本日、特殊なルート(スーパー)で入手した月餅です。
まずその存在感に驚きを隠せません。てかてかボディに緻密な謎の紋章は、大福やどら焼きの様な庶民的な食べ物と言うより、高級感あふれる宮廷貴族のお菓子の様です。
それでは続いて原材料を見ていきましょう。
月餅の中身については色々な種類がありますが、今回は日本で一般的な中身があんこの物になります。
あん(砂糖、小豆、くるみ、還元水あめ、植物油脂、プルーンピューレ、ねりごま)
小麦粉、植物油脂、砂糖、卵黄、水あめ、みりん、醤油、食酢、乳等を主要原料とする食品
ソルビット、カラメル色素、膨張剤(一部に乳成分、卵、小麦、くるみ、ごま、大豆を含む)
※メーカーにより異なります。
はい!なるほど。たいへん良くわかりました。
食べてみよう
それでは…
失礼します…
はむ…もぐもぐ…。
(月餅は、旧暦の8月15日にあたる中秋節と言う、東アジアの伝統的な行事の一つで、お供えや贈り物として使われます。
中身は日本ではあんこが一般的ですが、最も有名なものは広東省の広式と言われるものでシェンタンと言うアヒルの塩漬け卵の黄身を入れた物だそう。
他にもアーモンド、落花生、クルミ、ココナッツといったナッツ類や、餡の部分も小豆餡のほか、最もポピュラーとされる蓮の実餡や、ナツメ餡、ヤシの実餡など様々。)
もぐもぐもぐ…。
(日本では1927年、大手菓子メーカー。我らの「中村屋」が日本人向けに開発したものが、全国に流通されます。
横浜にある中華街でも、時期になると月餅が立ち並び、中華街近くのホテルでは1メートルもある巨大な月餅が作られるなど、中国を語るにおいて月餅とはなくてはならない存在であると言うことができます。)
ごくごく…(烏龍茶)。
(日本では主に「和菓子」として広く一般に認識され、スーパーなどではもみじ饅頭やどら焼きなどと一緒に仲良く並んでいるのを見かけます。パッケージの裏のクレジットにも「和菓子」の文字があり、あの濃厚で重量感のある餡子に魅了されるファンも多く、もはや中国のみならず日本人にとっても、かけがえのない菓子と言えるでしょう)
ごちそうさまでした。
感想
ふむ。
…。
…。
ハオチー(美味しい)!!!
終わりに
いかがでしたか?月餅はもはや我々日本と本場中国をつなぐ「絆」と言っても過言ではありません。
現在では様々なメーカーが月餅産業に乗り出すなど、その人気は衰えるどころか、ますます加速の一途を辿っていると言って言いでしょう。
もんじろう君。中国の伝統菓子である月餅は、カラフルなだけの近代スイーツに淘汰される事などありません。
今回も大成功!おやつに月餅。贈り物に月餅。
ぜひお買い求め下さい!!
和菓子コーナーに立ち尽くすあなたは、やがて目の前で輝く1つのお菓子に手を伸ばします。
そしてお母さんのもとへ、笑顔でかけ寄るあなた。
その小さな手の中には
小さな月が輝いていました。