🐇こんにちは。虚兎です。
🌟こんにちは。勇者です。
もくじ☟
インタビュー
分かれ道
🐇なんと言う事でしょう。戦士達は次々と倒れ、魔王の「禁断の魔法」の前に、とうとう賢者さんまで…。
🌟アイテムを使って蘇らせる事はできますが…うまくいくかどうか…。
🐇どう言う事です?
🌟アイテムを使って蘇生させるには誰かが一手を犠牲にしなければなりません。
我々は魔王の「禁断の魔法」を何とか耐えましたが、それでもギリギリ一命を取りとめたにすぎず、先に全員に回復をしなければ、次の攻撃に耐えきれないかもしれないと言う事です。
🐇そうですね。魔王も「禁断の魔法」を使用し、MPはゼロ。全体攻撃はできません。取り敢えず回復してから皆を蘇生させましょう。
🌟しかし「通常攻撃」や「特技」は魔力が無くても使用できます。
なので中途半端な回復では意味をなしません。
私達もアイテムや魔法で回復する術は心得ていますが、ここは一旦、全員を大幅に回復させなければならず、それができるのはあらゆる魔法に精通する「賢者」だけだったのです。
そして…
魔王はさらなる追い討ちをかけます。
🐇…はっ!こ…これは!
魔王が目を閉じ祈りはじめると、辺りに邪悪な力が溢れ出しました!
なんと!魔王の魔力がみるみる回復し出しています。
🌟やれやれです。こうなればもう全滅もやむなし。再度復活できればレベルを上げて…と言う戦法も頭をかすめる状況です。
しかし冒険の途中とは違い、魔王相手に全滅してもはたして復活できるのか…。魔王は、神や精霊に匹敵する力を持つ存在です。前にも言いましたが、その強力な力で復活を阻止されないとも限りません。
🐇こうなったら逃げる事はできないのですか?
🌟それはできません。
魔王も傷ついた勇者をわざわざ逃がすとも思えませんし、こちらも魔王を面前に仲間を置いて戦闘を離脱する訳にはいきません。
たとえ逃げようとしても、身体に流れる勇者の血がそうさせないはずです。
🐇…万事…休す…か…。(←言いたい)
戦場に舞う
🌟このままでは全滅は時間の問題です。しかしこの窮地を
🐇なんと1匹の蝶が…。いや、これは!!
🐇ジャン・クロード…いや、スーパースターさん!一体何を…?!
🌟「戦場の蝶」と言われるスーパースターは数々の踊りを駆使し戦場を支配します。
情熱的なダンスは味方を奮い立たせ、優雅な舞は回復の効果を持ちます。
しかし「踊り」とはもともと神との交信手段の一つなのです。彼は今、特殊な踊りを踊る事によって神の力を借り、奇跡を起こそうとしています。
🐇そ…それは?
🌟全員を蘇生・回復させるというスーパースター最大の奥義です。
🐇なんと!そんな大技を隠し持っているとは!
🌟しかし…この踊りを最後まで踊りきる事ができるかどうかです。
神と交信するこの踊りは体力、精神力共に大きく疲労します。神の力を借りるには、それだけの代償が必要なのです。
大概の者は踊りきる事すらできず、また踊りきったとしても必ずしも願いが届くとは限りません。恐らく
確率は50%程。しかも極度の疲労によって、自身は力尽きてしまうことでしょう。
🐇なんと…!しかし世界の平和を賭けた一戦です。ここで奇跡が起こらなければ、神様なんていやしませんよ!そうでしょう!?
🌟その通りです。ご覧下さい。彼の命を賭けた踊りによって、奇跡が起こりました。
🐇おおっ!
🌟しかし同時に大きな犠牲をともないました。
勝利の兆し
🐇スーパースターさんのおかげで全員が蘇生する事ができましたが、魔王の強さは変わるものではありません。MPが満タンの状態で、もう一度禁断の魔法でもかまされたら今度こそ全滅は必至です。
🌟チャンスはこちらもフルパワーの今しかありません。総攻撃で一気に決着をつけます!
🌟長く過酷な旅でした。
城で国王に「魔王討伐」を宣言してから、いくつもの村や街をまわりました。
国王や村人、おじいさん、おばあさん。宿屋のお姉さん。父の帰りを待つ女の子。森で迷子になった男の子。
大勢の人とかかわる中で、出会いの喜び、そして別れの辛さを知りました。
🌟勇敢な仲間達。平和な時代なら、生涯出会う事の無い人達だったかもしれません。
それが一つの志の下に集まり、手を取り合い、数多くの困難を切り抜けここまで来ました。
🌟冒険とは戦いだけではありません。
馬車のメンテナンスや馬の世話。武器の手入れ。料理。洗濯。夜間の見張り。次の街までのルートの確認から船酔い、高所恐怖症、ホームシック、鬱。
数々のトラブル。そしてそれを克服し前へ進む事。
それら全てが冒険です。
🐇&🌟(…うっ!)
🌟魔王も私達も互いに満身創痍。そろそろ決着を付けましょう。
勇者の装備に付いているあの赤い宝石は、私にも力を貸してくれるようです。
装備に宿る歴代の勇者の力が目覚めました。
🐇おおっ!これは?!
🌟聖なる雷を刃に宿し敵を薙ぎ払う、勇者最大の奥義です。
🐇おおっ!
🐇これで…全てが…。むっ!しかしこれは!聖なる雷をその身に受けた魔王ですが、勇者さん!魔王はまだ立ち上がろうとしているではありませんか!!
🌟はい。ですが魔王の肉体はもう限界のはずです。
🐇しかし…
🌟さすがに強敵でした。魔王の最後です。よく見ておいて下さい。
🐇!
🌟魔王の肉体は滅び、光の中に消えていきました。
光の中で
🌟城を包んでいた凶々しい雲は消え、空は青くどこまでも晴れ渡っています。
魔王は倒れ 世界に平和が戻りました。
私達は帰路につき国王の御前にて、
勇者の名において魔王討伐の完了を宣言します。
魔王
🐇勇者さん。魔王とは一体何なのでしょうね。
🌟魔王の事については殆どの事がわかっておりません。通常の魔物もそうですが、息絶えるとあのように風化してしまうため、研究材料が無いのです。
魔物を束ね、神にも匹敵する魔力を持つ「魔王」と言う存在。それがどのようにして生まれたのかは多くの研究者が頭を悩ませています。
しかし少なくとも資料や文献などを見る限り、歴史に残る魔王の姿や特徴から、同じ種族の魔物ではない事は確かなようです。
どの魔物の分類にも属さない存在。故に研究者はその系統を???系と名付けました。
要するに「何もわかっていない」と言う事です。
現在確認されている他の魔物の亜種や突然変異と言う訳でもありません。
その存在が解き明かされるには、もう少し時間が必要になるでしょう。
🐇勇者さん。魔王は、冷酷で邪悪な存在と言うのは間違いないのでしょうか?
🌟それもわかりません。どうでしょうかね。
もしかしたら、私達がそう見ているだけかもしれませんね。
エンディング
🐇内容も盛りだくさんで、実にドラマチックなインタビューでした。勇者さん、いかがでしたでしょうか?
🌟はい。魔王と戦ったことはまさしく私の人生の中でも大きな出来事でした。
しかし時が経ち、漠然と昔を懐かしむ事はあっても、ここまで事細かに当時を思い出すと言う事は久しく無かったので刺激的でしたね。
「虚兎のpalette」は人気ブログと聞いておりますので反響が楽しみです。
🐇勇者さん、ありがとうございました。
🌟こちらこそ、ありがとうございました。
からの
お読みいただきありがとうございます☆
presented by 虚兎
©️2020 虚兎