お地蔵さん
近所を歩いていると、時々お地蔵さんを見かけます。
微笑みを浮かべ、道行く人達を見守って下さるお地蔵さん。
ここでは住民の皆さんから愛されるお地蔵さんを深く知っていきましょう。
もくじ☟
こんにちは。虚兎です。
昔話などでもよく出てくるお地蔵さん。
日本の民間信仰の代表格ですね。
字からして何となく「地域の守り神様」と言うイメージがありますが、実際の所はどうなんでしょうか。
地蔵菩薩
梵語でクシティ(大地)・ガルバ(子宮)さんとおっしゃられます。直訳して「お地蔵」さんに。
大地が全ての命を育む力を持つ(蔵す)ように、苦悩する人達を慈悲により包み込み、救済をなさる所からそう呼ばれるようになりました。
そして菩薩とは悟りを開くために修業中の身の事。
見事悟りを開く事ができれば最高ランクである如来(=仏陀)を名乗る事ができます。
そのお仕事
弥勒菩薩(みろくぼさつ)さんと言う方がおられます。
まだ菩薩の身なのですが、この方はお釈迦さまの次に仏陀になる事が約束されている、とても偉いお方です。
しかしお釈迦さまの入滅後(亡くなられた後)、次に弥勒菩薩(みろくぼさつ)さんが現れるまで56億7000万年かかるそう。
スケジュールの問題でしょうか。
そこで我らが地蔵菩薩さんの登場です。
現世に仏さまがいなくなっては大変。
地蔵菩薩さんはその間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)に現れ、民衆を救って下さるそうです。
弥勒菩薩さんが現れるまで地蔵菩薩さんは六つもの世界を行ったり来たりと、大変なお仕事です。
その際は虚兎の事も救って下さいますよう。
その起源
地蔵菩薩さんの起源としましては、インドのバラモン教の神話に出てこられる大地の女神プリティヴィさんと言う事です。
後に仏教に取り入れられ、地蔵菩薩さんとなられました。
と言う事は、お地蔵さんはまさかの女性なのでしょうか?
どちらでもないとされています。
性別を超越した存在ですと。
ただし観音様は女性的に、お地蔵さんは男性的に見られる事が多いそう。
でも、いくらそう見られても男性でも女性でもありません。
色々なお地蔵さん
我らがお地蔵さんは、中国では地獄の閻魔大王様と、同一視されておられます。
閻魔大王様はお地蔵さんとして人々の様子を細かく見ているため、綿密に死者を裁く事ができるのだそうです。
閻魔大王様は地獄の番人と言う職業がありながらも、地蔵菩薩として修業中と言う事ですね。
悟りを開き、如来の資格もとろうと頑張ってらっしゃるとは、実はとても勉強家でいらっしゃいます。
そして中国の西遊記にも登場。
孫悟空の暴れっぷりを地獄から玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)様に上奏する場面があると言う事です。
中国道教の最高神、玉皇大帝様に直々に上奏できるとは、さすが地蔵菩薩さんです。
それにあの孫悟空さんとも面識がおありなのですね。
さて、そんなお顔の広い地蔵菩薩さんですが、我が国日本におけるお地蔵さんとはどんな感じでしょう。
お地蔵さんは出家僧のお姿で六道を巡り、人々の苦難を身代わりとなり救うという、代受苦の菩薩とされました。
しかし中国では閻魔大王と同一視されている我らが地蔵菩薩さんです。
鬼さん達もあまりやり過ぎると後でボコボコにされるかもしれませんのでお気を付けて。
そしてお地蔵さんは、特に子供の守り神様としても有名。
地獄で有名な賽の河原。
親より先に死んでしまった子供が延々と石を積み上げなければならない所です。
そこでもお地蔵さんが子供を守ってくださいます。
あの有名な賽の河原からも救って下さるとは…。
そのお力は計り知れません。
からの
お地蔵さんは日本では道祖神(村境や峠などにおられて、村に入ってくる疫病や悪霊などを防ぐ神)ともされております。
そのうち地域で独自の信仰が生まれ、◯◯地蔵なども誕生。
地蔵菩薩さんのキャパシティの広さがうかがえます。
天上界の最高神にも顔が効く存在でありながら、弥勒菩薩の出現まで六道を駆け回り人々を救う。
インドの神話では大地の女神。
中国では閻魔大王の化身。
そして日本では外敵を防ぐ道祖神。
我らが地蔵菩薩さんは、その微笑みを絶やす事なく、いつまでも私達を見守り続けて下さいます。
特別ふろく
電柱とか自転車の後ろの入れ物とかに貼ってあるあのシール用のイラスト。
犯罪などの抑制効果につながるあのシールですが、良い事をした時もお地蔵さんはちゃんと見てくれております。
中国ではお地蔵さんと閻魔大王様は同じ。
悪い事をすればそれも見られております。
そしてたまたま虚兎も見てました。
お読みいただきありがとうございます☆
presented by 虚兎
©️2020 虚兎