🐇こんにちは、虚兎です。
🌟こんにちは、勇者です。私、今年で90歳。まだまだやりたい事は山ほどです!
もくじ☟
インタビュー
🐇魔王は赤い宝石の力で、その姿を怪物に変えました。果たして勇者の「正義の剣」は魔王に通じるのでしょうか。
🐇怖い顔です。
🌟そうですね。恐竜のような下部分は鋭い爪やキバを使った物理攻撃を主体とし、全体攻撃のブレスも使用します。
🐇ふむふむ。
🌟そして人間タイプの上部分は魔法や特技を使います。
🐇ほうほう。
🌟魔王の攻撃は全体攻撃が多い上に、当然被ダメージも高く、自己強化の呪文をかき消されてしまう我々は、どうしても行動を制限されてしまいます。
賢者は回復役にしばられ、その高い攻撃魔力を活かす事ができません。
侍は攻撃力は高いのですが、重装備ができないため防御に不安があり、魔王の攻撃に何度も耐えるのは厳しいでしょう。
風水師に至ってはあの爬虫類のような顔が生理的にダメなようで、すっかり怯えてしまっています。
このままでは、今は何とか耐える事ができても、そのうち押し切られ、力尽きてしまうでしょう。
英雄の心
🐇む?勇者さん!あのグラディエーターさんをご覧下さい!
🌟…?どういたしました?
🐇あの胸に刻まれた大きな傷は魔王の爪によってつけられたものでしょう?
鎧があったからいいようなものの、あんな場所に攻撃を許すとは、一体どうしたと言うのでしょう?
🌟あの傷だけではありません。身体中についた無数の傷こそが、彼の覚悟の証なのです。
🐇どう言う事です?
🌟先程も言った通り、魔王の強さはすさまじいものです。しかし慎重になり過ぎて時間ばかりをかけていては結局いずれスタミナ切れとなり、全滅もまぬがれません。体力のある今のうちに何としても巻き返さなくてはならないのです。
これが最後の戦いです。もはやMPを温存する必要もありません。最大の火力でぶつかるのみ!そしてグラディエーターはまさに死をも恐れぬ戦法をとったのです。
ご覧下さい。あの魔王も僅かですが傷を負っています。彼は魔王に対抗するために…
🐇ごくり…。
🌟一切の防御を捨てたのです。
🐇なん…だと…。(←言いたい)
🌟この捨て身の技は、守りの型を捨て攻撃に徹する技です。普段より一歩踏み込む事により相手に大ダメージを与えますが、その分相手からの攻撃も余計に受けてしまう諸刃の戦法です。
本来この技は自己犠牲の精神を持つパラディン(聖騎士)の技です。戦いにより富と名声を得るグラディエーターとは遠い存在のはず。恐らく彼は…元々はパラディンだったのでしょう。普段の戦い方にも無意識でしょうが、随所に聖騎士の型が見受けられます。
彼の過去に何があったかはわかりませんが、己のためではなく、護るべきものの為に戦うえいゆうの心が、かつて捨てたはずの聖騎士の精神を呼び覚ましたのかもしれません。
🐇そうでしたか。しかし攻撃に集中したグラディエーターさんの持つ巨大な斧ならば、いくら魔王といえどダメージは必至。これは勝機も見えてきましたね。
🌟その通りです。しかしまだまだ圧倒的な差は簡単には埋まりません。
細心の注意を払いながらも、反撃開始です。
伝説の剣豪
🌟さて、これから一気に巻き返したい所です。侍はもう一本の刀をぬき、二刀流になりました。
🐇ほう。二刀流に。
🌟しかしこれは武器を一本より二本持っている方が有利と言う単純計算からではありません。二刀流となった彼の構えをご覧下さい。
🐇うん?なんでしょう、両の腕をだらりと下げています。脱力感に満ち、その腕は風に吹かれても揺れてしまいそう…。
しかし…その鋭い眼差しはしっかりと相手を見据え、ややなる前傾姿勢は一足で敵の懐に到達できる事でしょう…。ただものではありません。この構えは一体…?
🌟彼の故郷である、東の果ての島に伝わる伝説の剣豪の構えです。
派手で大袈裟な構えとは裏腹に、揺らぐ煙の様に自然に身を任せる事で、如何なる攻撃にも対応できます。この構えを取らせたら前後左右、頭上に至るまで一切の隙はありません。
そして攻撃に転ずれば、二刀流からなる嵐のような猛攻が相手を襲い、一切の反撃を許さず切り刻みます。
解放した力
🌟エスパーをご覧下さい。
🐇ああっ!エスパーさんがとても苦しそうに手で顔を覆っています!どうしたのでしょう?
🌟人間の脳は常時10%ほどしか使われていないと言います。正確に言えば、脳全体は使っているのですが一度に使う事のできる部分が全体の10%と言う事です。そして彼女は短時間ですが自らを覚醒させ、脳を100%稼働させる事ができるのです。
🐇「覚醒」ですか。虚兎のかっこいい言葉ランキングの上位にいつも食い込んでおります。しかし短時間とは?
🌟体力の消耗が激しいのです。彼女の使う超能力は魔法とは違うため、MPは使いません。そしてその効果は魔力に依存もしません。
ただ無理に脳をフル稼働させる事によって、身体に負担がかかってしまい、時間が経過するほどHPが減ってしまうのです。
おっと覚醒が完了したようです。
🐇…少しお顔が怖いです。
🌟そ…そうですね。
あっ!虚兎さん、笑顔です。無表情だからサイコな感じに見えるのですよ!
女の子ですから笑顔をたせば、可愛らしくなるはずです。
🐇なるほど!笑顔ね!
覚醒して多少頭が冴えわたっている知的な女の子…
🐇&🌟(……うっ。)
戦神の奥義
🐇ゆ…勇者さん!あれをご覧下さい!バトルマスターさんが武器を外していますよ!こんな時にどう言う事でしょうか!?
🌟はい。私達の世界のように、魔物がはびこる世界で「バトルマスター」を名乗るのは相当な事です。
🐇そうですね。名前からして超強そうです。ハードル上がりますね。
🌟中には猛獣や猛禽類。ドラゴンなど様々な魔物のいる中で、バトルマスターの長所は装備できる武器や防具の多さにあります。
鍛え抜かれた身体は重装備をものともしませんし、大型の大剣をふるい、竜の鱗さえ切り裂きます。
他にも槍、爪、斧と、攻撃特化の武器を使いこなし、あらゆる魔物に対応する事が可能です。
ならば…武器無くしては、その力を発揮できないのでしょうか。そんな事はございません。むしろ武器を持つ状態は手加減をしている状態と思って下さい。
🐇そんなバカな…。武器を捨てた方が強いなど…。
🌟武器を持てば、それに頼った戦いしかできなくなります。相手は魔物。形状も違うし攻撃も様々。戦いの途中、剣が折れればそれまでです。
ところが、バトルマスターは拳を鎚とし、手刀を刃とし蹴りを鞭とする事ができます。
他にも打撃、間接、投げ技と、武器を持たずともあらゆる敵と戦う術を身に付けたバトルマスターの真髄とは、己の肉体を武器とする事を旨とするのです。
🐇なんと…。しかしにわかには信じがたい事実ですね…!
🌟全ての職業に称号と言うものがあります。その職業のランクに応じて呼び方が変わるのです。これは時代や国によって基準が違うため、同じ職業でも様々な名称であったり、そもそも称号やランクと言うものが存在しなかったりもするのですが…。
🐇それが素手と何か関係が?
🌟バトルマスターの最高位であるレベル8の称号は「ゴッドハンド」。まさに素手を極めし者の称号であり、その一撃は邪悪を滅する「神の御手」とされています。
🐇神の御手…。凄まじい闘気です…。
次回
🐇魔王を倒すため、持てる力の全てを発揮した戦士達。人類の輝く未来が、その一撃にかかっております。
お読みいただきありがとうございます☆
presented by 虚兎
©️2020 虚兎